日語閱讀:はだかの王さま(一)
むかしむかし、とある國のとある城に王さまが住んでいました。王さまはぴっかぴかの新しい服が大
好きで、服を買うことばかりにお金を使っていました。王さまののぞむことといったら、いつもきれいな服
を著て、みんなにいいなぁと言われることでした。戦いなんてきらいだし、おしばいだって面白くありませ
ん。だって、服を著られればそれでいいんですから。新しい服だったらなおさらです。一時間ごとに服
を著がえて、みんなに見せびらかすのでした。ふつう、めしつかいに王さまはどこにいるのですか、と
聞くと、「王さまは會議室にいらっしゃいます。」と言うものですが、ここの王さまはちがいます。「王
さまは衣裝(いしょう)部屋にいらっしゃいます。」と言うのです。
城のまわりには町が広がっていました。とても大きな町で、いつも活気に満ちていました。世界中の
あちこちから知らない人が毎日、おおぜいやって來ます。
ある日、二人のさぎ師が町にやって來ました。二人は人々に、自分は布織(ぬのお)り職人(しょく
にん)だとウソをつきました。それも世界でいちばんの布が作れると言いはり、人々に信じこませてしま
いました。
「とてもきれいな色合いともようをしているのだけれど、この布はとくべつなのです。」とさぎ師は言いま
す。「自分にふさわしくない仕事をしている人と、バカな人にはとうめいで見えない布なのです。」
その話を聞いた人々はたいそうおどろきました。たいへんなうわさになって、たちまちこのめずらしい
布の話は王さまの耳にも入りました。
「そんな布があるのか。わくわくするわい。」と、服が大好きな王さまは思いました。「もしわしがその
布でできた服を著れば、けらいの中からやく立たずの人間や、バカな人間が見つけられるだろう。それ
で服が見えるかしこいものばかり集めれば、この國ももっとにぎやかになるにちがいない。さっそくこの
布で服を作らせよう。」
王さまはお金をたくさん用意し、さぎ師にわたしました。このお金ですぐにでも服を作ってくれ、とたの
みました。さぎ師はよろこんで引き受けました。部屋にはた織り機を二臺ならべて、すぐに仕事にとりか
かりました。でも、はた織り機には何もありませんでした。糸もありません。それでも、さぎ師はいっし
ょうけんめい布を織っていました。いいえ、ちがうのです。ほんとうは布なんてどこにもなくて、からのは
た織り機で織るふりをしているだけなのです。ときどき、材料がなくなったみたいにいちばん値段の高い
絹(きぬ)と金でできた糸をください、と王さまに言いました。のぞみどおり材料をもらうと、はた織りに
は使わず、またからのままで織るふりをしつづけました。夜おそくまではたらいて、がんばっているふり
をしました。
しばらくすると王さまは、ほんとうに仕事がはかどっているのか知りたくなってきました。自分が見に行
ってたしかめてもいいのですが、もし布が見えなかったらどうしようと思いました。自分はバカだというこ
とになるのですから。でも王さまは王さまです。何よりも強いのですから、こんな布にこわがることはあ
りません。でもやっぱり、自分が行く気にはなれませんでした。そこで、王さまは自分が行く前に、けら
いをだれか一人行かせることにしました。けらいに布がどうなっているかを教えてもらおうというのです。
このころには町の人はみんな、王さまが作らせている布がめずらしい布だということを知っていました。
だから、みんなは近所の人がどんなにバカなのかとても知りたくなっていました。
そこで王さまは、けらいの中でも正直者で通っている年よりの大臣を向かわせることにしました。この
大臣はとても頭がよいので、布をきっと見ることができるだろうと思ったからです。向かわせるのにこれ
ほどぴったりの人はいません。
人のよい年よりの大臣は王さまに言われて、さぎ師の家へ向かいました。さぎ師がからのはた織り機
で仕事をしている部屋に入りました。
「神さま、助けてください!」といのりながら、両目を大きく見開きました。けれども、何も見えませ
ん。はた織り機には何もないのです。
「ど、どういうことじゃ!?」と思わず口に出しそうになりましたが、しませんでした。
そのとき、「大臣さん、」とさぎ師が聲をかけました。「どうです? もっと近づいてよく見てくださ
い。このもよう、いろいろな技術が使われていてすごいですし、この色合いだって美しくて、思わずうな
ってしまいそうでしょう?」
さぎ師はそう言って、からのはた織り機をゆびさしました。大臣はなんとかして布を見ようとしました
が、どうやっても見えません。だって、そこにはほんとうに何もないんですから。
「大変なことじゃ。」と大臣は思いました。自分はバカなのだろうか、と首をかしげました。でもそう思
いたくありませんでした。大臣はまわりを見まわしました。二人のさぎ師がいるだけです。よいことに、
まだ自分が布が見えない、ということを誰も気がついていません。「見えない」、と言わなければ誰も
気づかないのですから。
「あのぅ、どうして何もおっしゃらないんですか?」と、さぎ師の片われがたずねました。もう一人のさぎ
師はからのはた織り機でいっしょうけんめい働くふりをしています。
急に言われて、大臣はあわてました。「あ……ふぅん。とてもきれいで、たいそう美しいもんじゃな
ぁ。」大臣はメガネを動かして、何もないはた織り機をじっくり見ました。
「なんとみごとな柄(がら)じゃ。それにこの色のあざやかなこと! このことを王さまに言えば、王さ
まもきっとお気にめすじゃろうなぁ。」
「その言葉を聞けて、ありがたきしあわせです。」二人のさぎ師が口をそろえて言いました。「では、
王さまにもっと知っていただくために、布についてこまかく説明(せつめい)いたしましょう。」
さぎ師はからのはた織り機の前でしゃべりはじめました。色がこいとかうすいとか、もようがうねうねし
てるとか、まっすぐとか。ことこまやかに言うのです。大臣はその説明を一言ももらさず聞き入っていま
した。なぜなら、大臣は王さまにもう一度同じことをまちがえずに言わなければならないからです。もし
ここで一言でもまちがえようものなら、あとで王さまがほんものを見たときに大臣には布が「見えなかっ
た」と気づいてしまいます。だから大臣は聞いたことをそのまま王さまに言いました。
大臣が帰るとき、さぎ師たちはもっと金の糸や絹がほしいと言いました。布を織るためにひつようだと
言うので、すぐに持ってこさせました。でもやはり、さぎ師たちは金の糸や絹を一本も使わないでみんな
自分の物にしてしまいました。そして何もないからのはた織り機でずっと織るふりをつづけました。
それからまもなく、王さまはもう一人さぎ師のところに向かわせました。これも根のまっすぐな役人でし
た。役人の仕事は、布のはかどりぐあいと完成する日にちをしらべてくることでした。しかし、役人も大
臣と同じように、見えたのはからっぽのはた織り機だけでした。なんどもなんども見ましたが、どうしても
からっぽにしか見えませんでした。
「どうなされたのですか? もしかして、お気にめさないとか……」二人のさぎ師は不安そうにたずねま
した。そして何もないはずの布をまるであるかのように見せびらかせました。
「ほら、この王さまのえらさにぴったりのこのもよう、……どうでしょうか?」
さぎ師は言いますが、布はどこにもありません。
役人は思いました。
「わたしはバカではない。自分にふさわしくない仕事をしているだけだ。そうだ、バカではない。おそら
く……この布はとてもふうがわりなのだろう。しかし、このことを、だれにも知られてはならないの
だ……」
役人は少し考えてから、言いました。見えない布をあたかも見えているように。
「たいへんみごとな布だ! 色合いも美しいし……柄(がら)ももうしぶんない。わたしはこんな布を見
られてとてもうれしいよ!」[1][2]
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