挪威的森林(中日對照)(四)
「どうかな、そういうのって考え方次第だからね。煩わしいことは結構あるといえばある。規則はうるさいし、下らない奴が威張ってるし、同居人は朝の六時半にラジオ體操を始めるしね。でもそういうのはどこにいったって同じだと思えば、とりたてて気にはならない。ここで暮らすしかないんだと思えば、それなりに暮せる。そういうことだよ」
「そうね」と言って彼女は肯き、しばらく何かに思いをめぐらせているようだった。そして珍しいものでものぞきこむみたいに僕の目をじっと見た。よく見ると彼女の目はどきりとするくらい深くすきとおっていた。彼女がそんなすきとおった目をしていることに僕はそれまで気がつかなかった。考えてみれば直子の目をじっと見るような機會もなかったのだ。二人きりで歩くのも初めてだし、こんなに長く話をするのも初めてだった。
「寮か何かに入るつもりなの?」と僕は訊いてみた。
「ううん、そうじゃないのよ」と直子は言った。「ただ私、ちょっと考えてたのよ。共同生活をするのってどんなだろうって。そしてそれはつまり……」、直子は唇を噛みながら適當な言葉なり表現を探していたが、結局それはみつからなかったようだった。彼女はため息をついて目を伏せた。「よくわからないわ、いいのよ」
それが會話の終りだった。直子は再び東に向って歩きはじめ、僕はその少しうしろを歩いた。 直子と會ったのは殆んど一年ぶりだった。一年のあいだに直子は見違えるほどやせていた。特徴的だったふっくらとした頬の肉もあらかた落ち、首筋もすっかり細くなっていたが、やせたといっても骨ばっているとか不健康とかいった印象はまるでなかった。彼女のやせ方はとても自然でもの靜かに見えた。まるでどこか狹くて細長い場所にそっと身を隠しているうちに體が勝手に細くなってしまったんだという風だった。そして直子は僕がそれまで考えていたよりずっと綺麗だった。僕はそれについて直子に何か言おうとしたが、どう表現すればいいのかわからなかったので結局は何も言わなかった。
我々は何かの目的があってここに來たわけではなかった。僕と直子は中央線の電車の中で偶然出會った。彼女は一人で映畫でも見ようかと思って出てきたところで、僕は神田の本屋に行くところだった。べつにどちらもたいした用事があるわけではなかった。降りましょうよと直子が言って、我々は電車を降りた。それがたまたま四ツ谷駅だったというだけのことなのだ。もっとも二人きりになってしまうと我々には話しあうべき話題なんてとくに何もなかった。直子がどうして電車を降りようと言いだしたのか、僕には全然理解できなかった。話題なんてそもそもの最初からないのだ。
駅の外に出ると、彼女はどこに行くとも言わずにさっさと歩きはじめた。僕は仕方なくそのあとを追うように歩いた。直子と僕のあいだには常に一メートルほどの距離があいていた。もちろんその距離を詰めようと思えば詰めることもできたのだが、なんとなく気おくれがしてそれができなかった。僕は直子の一メートルほどうしろを、彼女の背中とまっすぐな黒い髪を見ながら歩いた。彼女は茶色の大きな髪どめをつけていて、橫を向くと小さな白い耳が見えた。時々直子はうしろを振り向いて僕に話しかけた。うまく答えられることもあれば、どう答えればいいのか見當もつかないようなこともあった。何を言っているのか聞きとれないということもあった。しかし、僕に聞こえても聞こえなくてもそんなことは彼女にはどちらでもいいみたいだった。直子は自分の言いたいことだけを言ってしまうと、また前を向いて歩きつづけた。まあいいや、散歩には良い日和だものな、と僕は思ってあきらめた。
しかし散歩というには直子の歩き方はいささか本格的すぎた。彼女は飯田橋で右に折れ、お堀ばたに出て、それから神保町の交差點を越えてお茶の水の坂を上り、そのまま本郷に抜けた。そして都電の線路に沿って駒込まで歩いた。ちょっとした道のりだ。駒込に著いたときには日はもう沈んでいた。穏かな春の夕碁だった。
「ここはどこ?」と直子がふと気づいたように訊ねた。
「駒込」と僕は言った。「知らなかったの? 我々はぐるっと伺ったんだよ」
「どうしてこんなところに來たの?」
「君が來たんだよ。僕はあとをついてきただけ」
我々は駅の近くのそば屋に入って軽い食事をした。喉が乾いたので僕は一人でビールを飲んだ。注文してから食べ終るまで我々は一言もロをきかなかった。僕は歩き疲れていささかぐったりとしていたし、彼女はテーブルの上に両手を置いてまた何かを考えこんでいた。TVのニュースが今日の日曜日は行楽地はどこもいっぱいでしたと告げていた。そして我々は四ツ谷から駒込まで歩きました、と僕は思った。
「ずいぶん體が丈夫なんだね」と僕はそばを食べ終ったあとで言った。
「びっくりした?」
「うん」
「これでも中學校の頃には長距離の選手で十キロとか十五キロとか走ってたのよ。それに父親が山登りが好きだったせいで、小さい頃から日曜日になると山登りしてたの。ほら、家の裏がもう山でしょ?だから自然に足腰が丈夫になっちゃったの」
「そうは見えないけどね」と僕は言った。
「そうなの。みんな私のことをすごく華奢な女の子だと思うのね。でも人は見かけによらないのよ」彼女はそう言ってから付けたすように少しだけ笑った。
「申しわけないけれど僕の方はかなりくたくただよ」
「ごめんなさいね、一日つきあわせちゃって」
「でも君と話ができてよかったよ。だって二人で話をしたことなんて一度もなかったものな」と僕は言ったが、何を話したのか思いだそうとしてもさっぱり思いだせなかった。
彼女はテーブルの上の灰皿をとくに意味もなくいじりまわしていた。
「ねえ、もしよかったら――もしあなたにとって迷惑じゃなかったらということなんだけど――私たちまた會えるかしら?もちろんこんなこと言える筋合じゃないことはよくわかっているんだけど」
「筋合?」と僕はびっくりして言った。「筋合じゃないってどういうこと?」
彼女は赤くなった。たぷん僕は少しびっくりしすぎたのだろう。
「うまく説明できないのよ」と直子は弁解するように言った。彼女はトレーナー?シャツの両方の袖を肘の上までひっぱりあげ、それからまたもとに戻した。電燈がうぶ毛をきれいな黃金色に染めた。「筋合なんて言うつもりはなかったの。もっと違った風に言うつもりだったの」
直子はテーブルに肘をついて、しばらく壁にかかったカレンダーを見ていた。そこに何か適當な表現を見つけることができるんじゃないかと期待して見ているようにも見えた。でももちろんそんなものは見つからなかった。彼女はため息をついて目を閉じ、髪どめをいじった。
「かまわないよ」と僕は言った。「君の言おうとしてることはなんとなくわかるから。僕にもどう言えばいいのかわからないけどさ」
「うまくしゃべることができないの」と直子は言った。「ここのところずっとそういうのがつづいてるのよ。何か言おうとしても、いつも見當ちがいな言葉しか浮かんでこないの。見當ちがいだったり、あるいは全く逆だったりね。それでそれを訂正しょうとすると、もっと余計に混亂して見當ちがいになっちゃうし、そうすると最初に自分が何を言おうとしていたのかがわからなくなっちゃうの。まるで自分の體がふたつに分かれていてね、追いかけっこをしてるみたいなそんな感じなの。まん中にすごく太い柱が建っていてね、そこのまわりをぐるぐるとまわりながら追いかけっこしているのよ。ちゃんとした言葉っていうのはいつももう一人の私が抱えていて、こっちの私は絶対にそれに追いつけないの」
直子は顔を上げて僕の目を見つめた。
「そういうのってわかる?」
「多かれ少なかれそういう感じって誰にでもあるものだよ」と僕は言った。「みんな自分を表現しょうとして、でも正確に表現できなくてそれでイライラするんだ」
僕がそう言うと、直子は少しがっかりしたみたいだった。
「それとはまた違うの」と直子は言ったが、それ以上は何も説明しなかった。
「會うのは全然かまわないよ」と僕は言った。「どうせ日曜日ならいつも暇でごろごろしているし、歩くのは健康にいいしね」
我々は山手線に乗り、直子は新宿で中央線に乗りかえた。彼女は國分寺に小さなアパートを借りて暮していたのだ。
「ねえ、私のしゃべり方って昔と少し変った?」と別れ際に直子が訊いた。
「少し変ったような気がするね」と僕は言った。「でも何がどう変ったのかはよくわからないな。正直言って、あの頃はよく顔をあわせていたわりにあまり話をしたという記憶がないから」
「そうね」と彼女もそれを認めた。「今度の土曜日に電話かけていいかしら?」
「いいよ、もちろん。待っているよ」と僕は言った。
はじめて直子に會ったのは高校二年生の春だった。彼女もやはり二年生で、ミッション系の品の良い女子校に通つていた。あまり熱心に勉強をすると「品がない」とうしろ指をさされるくらい品の良い學校だった。僕にはキズキという仲の良い友人がいて(仲が良いというよりは僕の文字どおり唯一の友人だった)、直子は彼の戀人だった。キズキと彼女とは殆んど生まれ落ちた時からの幼ななじみで、家も二百メートルとは離れていなかつた。
多くの幼ななじみのカップルがそうであるように、彼らの閥係は非常にオーブンだったし、二人きりでいたいというような願望はそれほどは強くはないようだった。二人はしょっちゅうお互いの家を訪問しては夕食を相手の家族と一緒に食べたり、麻雀をやったりしていた。僕とダブル?デートしたことも何回かある。直子がクラス?メートの女の子をつれてきて、四人で動物園に行ったり、プールに泳ぎに行ったり、映畫を観に行りたりした。でも正直なところ直子のつれてくる女の子たちは可愛くはあったけれど、僕には少々上品すぎた。僕としては多少がさつではあるけれど気楽に話ができる公立高校のクラス?メートの女の子たちの方が性にあっていた。直子のつれてくる女の子たちがその可愛いらしい頭の中でいったい何を考えているのか、僕にはさっぱり理解できなかった。たぶん彼女たちにも僕のことは理解できなかったんじゃないかと思う。
そんなわけでキズキは僕をダブル?デートに誘うことをあきらめ、我々三人だけでどこかに出かけたり話をしたりするようになった。キズキと直子と僕の三人だった。考えてみれば変な話だが、結果的にはそれがいちばん気楽だったし、うまくいった。四人めが入ると雰囲気がいくぶんぎくしゃくした。三人でいると、それはまるで僕がゲストであり、キズキが有能なホストであり、直子がアシスタントであるTVのトーク番組みたいだった。いつもキズキが一座の中心にいたし、彼はそういうのが上手かった。キズキにはたしかに冷笑的な傾向があって他人からは傲慢だと思われることも多かったが、本質的には親切で公平な男だった。三人でいると彼は直子に対しても僕に対しても同じように公平に話しかけ、冗談を言い、誰かがつまらない思いをしないようにと気を配っていた。どちらかが長く黙っているとそちらにしゃべりかけて相手の話を上手くひきだした。そういうのを見ていると大変だろうなと思ったものだが、実際はたぶんそれほどたいしたことではなかったのだろう。彼には場の空気をその瞬間瞬間で見きわめてそれにうまく対応していける能力があった。またそれに加えて、たいして面白くもない相手の語から面白い部分をいくつもみつけていくことができるというちょっと得がたい才能を持っていた。だから彼と話をしていると、僕は自分がとても面白い人間でとても面白い人生を送っているような気になったものだった。
もっとも彼は決して社交的な人間ではなかった。彼は學校では僕以外の誰とも仲良くはならなかった。あれほど頭が切れて座談の才のある男がどうしてその能力をもっと広い世界に向けず我我三人だけの小世界に集中させることで満足していたのか僕には理解できなかった。そしてどうして彼が僕を選んで友だちにしたのか、その理由もわからなかった。僕は一人で本を読んだり音楽を聴いたりするのが好きなどちらかというと平凡な目立たない人間で、キズキがわざわざ注目して話しかけてくるような他人に抜きんでた何かを持っているわけではなかったからだ。それでも我々はすぐに気があって仲良くなった。彼の父親は歯科醫で、腕の良さと料金の高さで知られていた。
「今度の日曜日、ダブルデートしないか?俺の彼女が女子校なんだけど、可愛い女の子つれてくるからさ」と知りあってすぐにキズキが言った。いいよ、と僕は言った。そのようにして僕と直子は出會ったのだ。
僕とキズキと直子はそんな風に何度も一緒に時を過したものだが、それでもキズキが一度席を外して二人きりになってしまうと、僕と直子はうまく話をすることができなかった。二人ともいったい何について話せばいいのかわからなかったのだ。実際、僕と直子のあいだには共通する話題なんて何ひとつとしてなかった。だから仕方なく我々は殆んど何もしゃべらずに水を飲んだりテーブルの上のものをいじりまわしたりしていた。そしてキズキが戻ってくるのを待った。キズキが戻ってくると、また話が始まった。直子もあまりしゃべる方ではなかったし、僕もどちらかといえば自分が話すよりは相手の話を聞くのが好きというタイプだったから、彼女と二人きりになると僕としてはいささか居心地が悪かった。相性がわるいとかそういうのではなく、ただ単に話すことがないのだ。
キズキの葬式の二週間ばかりあとで、僕と直子は一度だけ顔をあわせた。ちょっとした用事があって喫茶店で待ちあわせたのだが、用件が済んでしまうとあとはもう何も話すことはなかった。僕はいくつか話題をみつけて彼女に話しかけてみたが、話はいつも途中で途切れてしまった。それに加えて彼女のしゃべり方にはどことなく角があった。直子は僕に対してなんとなく腹を立てているように見えたが、その理由は僕にはよくわからなかった。そして僕と直子は別れ、一年後に中央線の電車でばったりと出會うまで一度も顔を合わせなかった。
あるいは直子が僕に対して腹を立てていたのは、キズキと最後に會って話をしたのが彼女ではなく僕だったからかもしれない。こういう言い方は良くないとは思うけれど、彼女の気持はわかるような気がする。僕としてもできることならかわってあげたかったと思う。しかし結局のところそれはもう起ってしまったことなのだし、どう思ったところで仕方ない種類のことなのだ。
第二章
很久很久以前——其實也不過大約20年前,我住在一座學生寄宿院里。我18歲,剛上大學。對東京還一無所知,獨自生活也是初次。父母放心不下,在這里給我找了間宿舍。這里一來管飯,二來生活設施也一應俱全。于是父母覺得即使一個未通世故的18歲少年,也可在此生活下去。當然也有費用方面的考慮。同一般單身生活開支相比,學生宿舍要便宜得多。因為,只要有了被褥和臺燈,便無須添置什么。就我本人來說,本打算租間公寓,一個人落得逍遙自在。但想到私立大學的入學費以及每月的生活費,也就不好意思開口了。況且,住處對我原本也是無可無不可的。
寄宿院建在東京都內風景不錯的高地上,占地很大,四周圍有高高的混凝土墻。進得大門,迎面矗立一棵巨大的樺樹。樹齡聽說至少有150年。站在樹下抬頭仰望,只見天空被綠葉遮掩得密密實實。
一條水泥甬道繞著這棵樹迂回轉過,然后再次成直線穿過中庭。中庭兩側平行坐落著兩棟三層高的鋼筋混凝土樓房。這是開有玻璃窗口的大型建筑,給人以似乎是由公寓改造成的監獄或由監獄改造成的公寓的印象。但絕無不潔之感,也不覺得陰暗。大敞四開的窗口傳出收音機的聲音。每個窗口的窗簾一律是奶黃色,屬于最耐曬的顏色。
沿甬道徑直前行,正面便是雙層主樓。一樓是食堂和大浴池,二樓是禮堂和幾個會議室。另外不知何用,居然還有貴賓室。主樓旁邊便是三棟宿舍樓,同是三層。院子很大,綠色草坪的正中有個噴水龍頭,旋轉不止,反射著陽光。主樓后面是棒球和足球兩用的運動場和六個網球場,應有盡有。
寄宿院唯一的問題,在于它根本上的莫名其妙。它是由以某一個極右人物為中心的一家性質不明的財團法人所經營的。其經營方針——當然是以我的眼光看—— 是相當奇特的。這點只消看一下那本寄宿指南的小冊子和寄宿生守則,便可知道十之八九。“就教育之根本,在于培育于國有用之材。”此乃寄宿樓的創辦精神,贊同這一精神的諸多財界人士慨然解囊……這是對外的招牌,而其內幕,便以慣用伎倆含糊其詞。明確地來說,沒有任何人曉得實情,稱其無非是逃稅對策者有之,謂其沽名釣譽者有之,說其以建寄宿舍之名而采取形同欺騙的巧妙手腕騙去這片一等地產者有之。甚至有人說其中包藏著非同小可的老謀深算。照這種說法,創辦者的目的在于通過這里做過寄宿生的人在財政界建立一個地下財閥。確實,寄宿院內,有個清一色由寄宿生中的優秀分子組成的特權俱樂部,詳情我自然不清楚。據說一個月總要召開幾次邀請創辦者參加的什么研究會。只要加入這俱樂部,將來就職便萬無一失。至于這些說法中何對何錯,我便無從判斷了。但所有這些說法有一點卻是共通的,即“反正莫名其妙”。
不管怎樣,1968年春到1970春這兩年時間里,我是在這莫名其妙的寄宿院內度過的。如果有人問起何以在如此莫名其妙的地方竟然待了兩年之久,我也無法回答。就日常生活這點來說,右翼也罷、左翼也罷、偽善也罷、罪惡也罷、并無多大區別。
寄宿院內的一天是從莊嚴的升旗儀式開始的,當然也播放國歌。如同體育新聞中離不開進行曲一樣,升國旗也少不得放國歌。升旗臺在院子正中,從任何一棟寄宿樓的窗口都可看見。
升國旗是東樓(我所住的)樓長的任務。這是個大約60歲的老年男子,高個頭,目光敏銳,略微摻白的頭發顯得十分堅挺,曬黑的脖頸上有條長長的傷疤。據說此人出身于陸軍中野學校,這也是真假莫辨。他身旁侍立一個學生,一副升旗助手的架勢。這學生的事別人也不甚知曉。光腦袋,經常一身學生服,既不知其姓甚名誰,也不知其房間號碼。在食堂或浴池里也從未打過照面。甚至弄不清楚他是否真是學生。不過,既然身著學生服,恐怕還得是學生才對——只能如此判斷。而且此君同中野學校的那位卻是截然相反:五短身材,面皮白嫩,不瘦偏肥。就是這一對令人不快至極的搭檔在院子里升那太陽旗。
住進之初,出于好奇,每天我特意在6點鐘就爬起身來觀看這愛國儀式。清晨6時,兩人幾乎與收音機的報時笛同步在院子中亮相。學生服固然是學生服加黑皮鞋,中野學校則一身夾克,腳踏運動鞋。學生服手提扁扁的桐木箱,中野學校提一臺索尼牌便攜式磁帶收錄機。中野學校把收錄機放在升旗臺下,學生服打開桐木箱。箱里整齊地疊放著國旗。學生服畢恭畢敬地把那旗拿給中野學校。中野學校隨即給旗穿上繩索,學生服順便按一下收錄機開關。
《君之代》
旗一躥一躥地向上爬去。
“沙礫成巖兮”——唱到這里時,旗升到旗桿中間,“遍覆青苔”音剛落,國旗便爬到了頂尖。兩人隨即挺胸凸肚,取立正姿勢,目光直視國旗。假若晴空萬里,又趕上陣風吹來,那光景便甚是了得。
傍晚降旗,其儀式也大同小異,只是順序與早上相反,旗一溜煙滑下,收進桐木箱中即可。晚間國旗卻是不隨風翻卷的。
何以晚間非降旗不可,其緣由我無從得知。其實,縱然夜里,國家也照樣存在,做工的人也照樣不少。巡路工、出租車司機、酒吧女侍、值夜班的消防隊、大樓警衛等——這些晚間工作的人們居然享受不到國家的庇護,我覺得委實有欠公道。不過,這也許并不足為怪,誰也不至于對此耿耿于壞。介意的大概舍我并無他人。況且,就我而言,也是姑妄想之而已,從來就沒想尋根問底。
房間的分配,原則上是一、二年級兩人一房,三、四年級每人一間。兩人一個的房間,有六張墊席大小,略顯狹長,盡頭墻上開有鋁合金框窗口。窗前,背對背放著用來學習的兩套桌椅,門內左側放一架雙層鐵床。每件家具,其結構簡單得出奇,且結實得可以。除了桌椅鐵床,還有兩個衣箱、一張小咖啡桌,以及直接安在墻壁上的擱物架。無論怎么愛屋及烏,都難以恭維是富有詩意的空間。差不多所有房間的擱物價上,都擺一些日用品。有收錄機、吹風機、電暖瓶、電熱器和用來處理速溶咖啡、袋裝茶、方糖、速食面的鍋和簡單的餐具。石灰墻上貼著《平凡周刊》上的美人照,以及從報刊上剪下的色情電影廣告畫。其中也有開玩笑貼的豬交尾照片,但這是例外中的例外。一般房間貼的都是裸體照,或年輕歌手照和女演員照。桌上的小書架里排列著教科書、辭典、小說之類的。
房間里因都是男人,大多臟得一塌糊涂。垃圾簍底沾著已經發霉生毛的桔子皮,代替煙灰缸用的空罐里煙頭積了10多厘米,里面一冒煙,使用咖啡啤酒什么的隨手倒進澆滅,發出令人窒息的酸味兒。碟碗則沒有一個不黑糊糊的,里外沾滿無名臟物。地板上散亂仍著速食面包袋、空啤酒瓶什么以及什么器皿的封蓋之類。沒有一個人想起過用掃帚把它們掃在一起或用垃圾鏟鏟倒垃圾簍里。風一吹來,灰塵便在地板上翩翩起舞,而且,每個房間都充斥一股難聞的氣味。雖然氣味多少有所不同,但其成分都是毫無二致:汗、體臭,加上垃圾。大家全都把要洗的東西塞到床下。沒有一個人定期晾曬被褥,于是那被褥算是徹底吸足了汗水,釋放出不可救藥的氣味。我現在還感到不可思議:在那般混濁狀態中居然沒有發生致命的傳染病。
不過相比之下,我的房間卻干凈的如同太平間,地板上纖塵不然,窗玻璃光可鑒人,臥具每周晾曬一次,前臂在筆筒內各得其所,就連窗簾每月都少不得洗滌一回,這都因為我的同室者近乎病態地愛潔成癖。我告訴別人說:“那家伙練窗簾都洗!”但誰都搖頭不信。誰也不知窗簾乃常洗之物。他們認定:窗簾是半永久性垂在窗口的附件,并且說“那小子性格異常”,隨后又都稱其為“納粹黨”或“敢死隊”。
我的房間連美人畫都沒貼,而代之以阿姆斯特丹運河的攝影。我貼裸體畫的時候,他開口道:“我說渡邊君,我,我可不大欣賞那玩藝兒喲!”然后伸手取下,以運河畫取而代之。我也并非很想貼那裸體,便沒表示異議。來我房間玩的人看了這運河攝影畫,都問是何物,我說:“敢死隊看著它手淫來著。”我本來是開玩笑說的,大伙卻輕率地信以為真。由于大家信得太輕率了,連我自己不久也以為可能真有其事。
由于我同敢死隊住在一起,大家都對我表示同情,但我本人卻無甚反感。只要我潔身自好,他便概不干涉。作為我,反倒有些求之不得:地板他掃,被褥他曬,垃圾他倒。要是我忙得三天沒進浴池,他便嗅了嗅,勸我最好洗澡去,甚至還提醒我該去理發店剪一剪鼻毛。麻煩的是只消發現一條小蟲,他就拿起殺蟲劑噴霧器滿屋噴灑不止。這時我只好到隔壁的混亂地帶避難。
敢死隊在一間國立大學攻讀地理學。
“我嘛,是學地、地、地圖的。”剛見面是他對我這樣說。
“喜歡地圖?”我問。[1][2][3][4][5]
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